深刻に悩みんでいる方も多いびまん性脱毛症は女性が経験する薄毛の悩みのなかでも最も多い脱毛症のひとつです。かつてはホルモンバランスの関係で中年以降の女性に多く見られましたが、近年では若い20代の世代でも、びまん性脱毛症を発症する女性が増加傾向にあるようです。一体このびまん性脱毛症の主原因とは何なのでしょうか?対策と予防方法を見ていきます。
女性の育毛危機!「びまん性脱毛症」は女性の最も多い薄毛って本当?
女性の薄毛で最も多い脱毛症のタイプはびまん性脱毛症です。
びまん(瀰漫)とは、一面に広がり満ちはびこるという意味で、びまん性とは、広範囲に広がる様子を表現しています。びまん性脱毛症は均等に頭皮全体の髪が抜けて全体に毛髪が薄くなり特に頭頂部の分け目が目立つのがびまん性脱毛症の特徴です。何だか最近髪のボリュームが寂しくなって来たと感じたら要注意で、急激な脱毛ではなく全体が徐々に薄くなる女性の薄毛の場合、自覚症状が出る時点でかなり悪化しているようです。
びまん性脱毛症の主な原因となる加齢
老いつまり加齢の進行はびまん性脱毛症の最大の原因です。中年以降の女性に多く見られていたのですが、過度のダイエット・ストレス・劣悪な生活習慣・誤ったヘアケアなどで近年では若い20代の世代でも、びまん性脱毛症を発症する女性が増加傾向にあるようです。
女性の育毛危機!びまん性脱毛症を起こす3つの要因とは?
びまん性脱毛症は一般的に加齢や劣悪な生活習慣が影響して発症しますが、びまん性脱毛症を他の脱毛症が引き起こす場合もあります。
加齢や劣悪な生活習慣よる抜け毛の仕組みと、びまん性脱毛症の原因となる他の脱毛症を解説します。
髪質・頭皮の加齢による変化
遺伝などもある髪質は個人差がありますが、加齢、ホルモンバランス、ストレス、毎日の洗髪やヘアケアなどで変化することが分かっています。
女性の場合、頭皮の皮脂は15歳から25歳を頂点に、徐々に30代後半から髪の毛が細くなっていく傾向にあり、毛髪内部に存在する毛髪のハリコシを維持する遊離脂質という成分の減少によって失われます。
頭皮の皮脂は分泌量が35歳頃から減少していくため、柔軟性が失われた皮膚の硬化した頭皮が毛髪の新たな成長を妨げます。
休止期脱毛
休止期脱毛症は休止期の毛髪が増え薄毛が生じている状態の事です。
毛髪は生まれ変わりのサイクルを繰り返しており、髪の毛が成長する「成長期」、成長が鈍くなる「退行期」、成長が止まる「休止期」があります。それぞれの毛髪が独自の周期で生え変わるので薄毛になることはなく、正常な頭皮は毛髪の10~15%が休止期に入っています。しかし頭皮環境が悪くなってしまうとその影響で、十分に髪が成長しない状態で休止期に入ることから短く弱い髪が増えてしまうという成長期のサイクルの短縮化が発生します。
原因や薄毛の出方によって、休止期脱毛は 急性休止期脱 、毛慢性びまん性休止期脱毛 、 慢性休止期脱毛 の3つの種類に区分されています。
急性休止期脱毛
急性休止期脱毛は2ヶ月で急激に太い毛が抜けやすくなり頭皮全体の毛髪が薄くなるのが特徴です。
症状は原因を取り除くと回復しますが、貧血、高熱、出産、ピルの服用による一時的なホルモンバランスの乱れ、外科手術、精神的ストレスなどで発症し、抜け毛の頭皮状態が正常に戻らない場合は、びまん性脱毛症に悪化、進展する可能性も否めません。
慢性びまん性休止期脱毛
慢性びまん性休止期脱は薬剤などの影響や内臓の疾患で発症します。
脱毛要因を除去することで回復する可能性が高いものの、頭皮の毛髪密度がゆっくりと半年以上の期間を経て低下していくのが特徴で、頭皮環境が改善されない場合はびまん性脱毛症の用意となります。
慢性休止期脱毛
慢性休止期脱毛の症状は慢性びまん性休止期脱毛とほぼ同じですが、脱毛発症の原因が不明で、いつの間にか長く太い髪の毛が減少し、軟毛も増えず、毛髪密度が低下していくのが特徴です。
女性男性型脱毛症FAGA
人間のからだには男性ホルモンと女性ホルモンの両方が備わっており女性の場合は女性ホルモンが通常は優位になっていますが、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの量が減少する更年期に入り女性ホルモンの一種であるエストロゲンの量が減少すると、一時的に加齢で男性ホルモンが優位になります。
男性ホルモンが優位になると、脱毛を促すジヒドロテストステロンという男性ホルモンの影響を受けやすくなるため、自然に抜け毛が増えていきます。
男性型脱毛症AGAの場合は脱毛の主な原因は男性ホルモンとなりますが、女性男性型脱毛症FAGAは劣悪な生活習慣やストレスなどが抜け毛の原因となります。
また、頭頂部や前髪の生え際が一部だけ薄くなっていく男性型脱毛症AGAに対し、女性男性型脱毛症FAGAの場合は頭頂部を中心に全体が薄くなる傾向にあります。
女性の育毛に役立つびまん性脱毛症の自宅でできる対策って?
日々の手入れや生活習慣の改善でびまん性脱毛症は症状を予防し改善を目指すことも期待が可能です。びまん性脱毛症の自宅でできる対策方法を解説します。
食生活の改善で髪を育てる!
タンパク質は毛髪を構成し、亜鉛はその合成を助け、ビタミン類で保湿、血行促進作用を得ます。率先して日々の食事に取り入れましょう。特に亜鉛はストレスや飲酒などの影響で消費されてしまう意識して摂取したい毛髪の生成に欠かせない栄養素です。頭皮を保つ秘訣は育毛有効成分はひとつどれかを集中して摂取するのではなく、バランスよくすべての栄養素を補うことです。
入浴と運動で血行を改善する
育毛有効成分は血液で酸素とともに毛根の毛乳頭に供給されます。冷えは血行不良のもとになりますので、冬場はもちろん、冷房で夏場でも身体が冷えてしまうことも多いため、ゆっくりと湯船に浸かって体を温めましょう。
また無理なくできるから出ところからで良いので、通勤時にふた駅分を徒歩で歩くようにする、軽いストレッチを作業の合間に取り入れるなど、髪の毛の生成必要な栄養素が代謝と血行を高めることで更に行き渡りやすくなります。
睡眠の質を高める
毛髪の生成やダメージの修復は睡眠中に行われますので、髪の成長を睡眠の質を高めて促しましょう。ブルーライトは脳を覚醒させてしまうので、スマホやPCの夜の使用は避けたいですね。どうしても仕事などの都合で、という場合は刺激を抑える為にブルーライトカットのメガネを着用すると良いでしょう。入浴は就寝の2~3時間にすることで体温が下がりやすくなり質のよい睡眠を得られやすくなるそうです。
ホルモンバランスを整える
既に一生のうちに分泌する量が決まっている女性ホルモンは量そのものを増やすことはできませんが、女性ホルモンの働きをサポートする女性ホルモンに似た働きをする食材を摂取することで、体外からホルモンバランスを整えることが可能です。
おすすめ食材は大豆製品に豊富に含まれる大豆イソフラボンを含む豆腐、納豆、味噌、黒豆など。植物性の成分である大豆イソフラボンは投薬治療とは異なり、副作用などの影響を与える心配がありません。産後におこる休止期脱毛にも出産・授乳中も使用できるので対応可能です。
頭皮マッサージ
頭皮内部にある毛細血管が毛髪をつくるための栄養を供給しています。頭皮マッサージを毎日の日課にすることで、髪の生えやすい柔らかい頭皮環境が期待できます。毎日欠かさず行うことで育毛効果が期待でき、毛髪をつくりだす毛母細胞の働きが高められます。血行不良などで頭皮が硬くなっていると、育毛有効成分が頭皮に行き渡りづらくなる毛細血管の収縮を起こします。頭頂部に向けて生え際から円をかくように指の腹で夜のシャンプー前、寝る前、起床時やなどに爪を立てるなどして頭皮を傷つける原因にならないよう慎重にもみほぐします。
びまん性脱毛症は女性用育毛剤で頭皮に栄養補給できるの?
女性用育毛剤には荒れた頭皮を保湿することにより栄養を与える保湿作用や血行促進のある成分が配合されているので育毛ヘアサイクルの正常化に期待ができます。植物性の成分で作られた育毛製品なら副作用リスクを少なくお薦めです。
女性ホルモンの大きな減少がびまん性脱毛症の要因のひとつです。男女兼用の育毛剤ではなく女性専用の女性ホルモンをサポートする成分が配合された育毛剤を選びましょう。女性用育毛剤を使用して手入れを継続して行うことで髪の毛にハリが出て太く丈夫な髪が増えるので、分け目の薄毛も目立たなくなりびまん性脱毛症の特徴を防止することができます。
多くの育毛有効成分の栄養を補給することができる女性用育毛剤は血行促進効果で凝り固まった頭皮をほぐしびまん性脱毛症の女性にとってはまさに便利なツール。成分や敏感肌が気になる人でも自然由来の成分を用いた肌にやさしく授乳中も使用可能な育毛剤を選ぶとよいでしょう。
病院で行われるびまん性脱毛症の治療に女性用育毛剤は使われるの?
皮膚科や毛髪外来、頭髪専門のクリニックでびまん性脱毛症の治療を受けることができます。
頭皮の血行促進作用がある外用薬ミノキシジル処方が治療の主体となり、太く丈夫な髪の毛の生成を外用薬ミノキシジルの継続使用で目指します。髪質や薄毛の状態によっては内服薬と併用する場合もあります。頭皮に直接育毛成分栄養を注入する注射療法を提案される場合もあります。
しかし、敏感肌の方や妊娠中は効果が高いミノキシジルは女性にとって刺激が強く副作用が起こる可能性もあるので医師としっかり相談する必要があります。また、円形脱毛症の治療を除く薄毛治療は保険対象の病気とみなされませんので、病院での治療はほとんどが保険適用外になります。
深刻な場合は病院での治療も検討
女性の育毛、抜け毛・薄毛対策には、頭皮の状態や予算に合わせた治療法・病院選びが重要です。
頭皮にフケやかゆみなどがみられる場合や円形脱毛症や脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎の場合も皮膚科が適切です。皮膚科は発毛を目指す治療ではなく、薄毛の状態の軽減~現状維持に重点をおく治療となりますので、積極的に発毛を望む女性にはあまり向かないかもしれません。
女性男性型脱毛症FAGAの治療であれば専門に薄毛を扱うクリニックがおすすめです。
発毛に重点を置いた治療が可能専な門クリニックでは、近年医療指針に基づいた治療を受けられ、使用する薬剤の選択肢が広くなるのが強みです。治療法や使う薬の種類が多い分、やや高額になるというところがネックとなります。
女性の薄毛治療は継続が必須となりますから、予算状況を十分に考慮して掛かる医療機関を検討するのがよいでしょう。
病院を見極めるポイント
病院を選ぶ際に目安にしたいひとつが病院の公式ホームページです。
ホームページに治療内容、治療の流れ、使用する薬の効果や費用などの情報が、明確にきちんと掲載されているかを確認しておきましょう。
スマートフォンに対応したホームページになっているかも確認したいところ。積極的に情報発信をしているクリニックなのは安心材料のひとつです。
女性の育毛危機!びまん性脱毛症の原因とは?予防と改善方法を解説!まとめ
びまん性脱毛症は進行性で、症状の悪化を避けるために早め対策が必須です。症状が悪化してしまっていると治療も難しくなりますので、早めの対策がびまん性脱毛症対応への要件となります。
個人差がありますがびまん性脱毛症はホルモンバランスを改善し血行を促進することで予防・改善が期待できます。取り急ぎできる対策は乱れたヘアサイクルを女性用育毛剤を活用して、頭皮の育毛機能に必要な栄養と潤沢な潤いを与えて正常に戻し、毛髪の生成を促すことが大切です。
分け目は見た目年齢を大きく左右しますから、生活習慣の改善と育毛剤で日頃から育毛活動を行い、いつまでも美しく若々しく髪を目指したいものです。